カニは季節ごとに味わいが変わる旬の食材です。種類や地域によって旬が異なるため、食べ比べを楽しむ人も多いでしょう。

この記事では、ズワイガニやタラバガニなど主要なカニの旬と、安く美味しく食べられる時期について詳しく解説します。

カニの旬はいつ?【早見表付き】

カニは種類によって旬の時期が異なります。それぞれのカニが最も美味しくなる季節を知ることで、旨味を最大限に味わえます。

旬の時期
ズワイガニ11月から3月頃
タラバガニ4月から6月と11月から2月
毛ガニ3月から5月
花咲ガニ7月から9月

ズワイガニ

ズワイガニの旬は11月から3月頃です。この期間は特に身が詰まり甘みが増します。11月頃に漁が解禁され、市場に新鮮なズワイガニが出回るため、最も味わいが良いとされています。

例えば、福井県では「越前ガニ」と呼ばれブランド化されており、冬の贈り物やお正月料理として人気があります。旬の時期に食べることで、プリプリとした食感と濃厚な旨味を堪能できます。

タラバガニ

タラバガニの旬は4月から6月と、11月から2月が中心です。冬の海水温が下がることで身が引き締まり、特有の食べ応えが増します。

北海道では漁が盛んで、特に年末年始に需要が高まるため価格も上昇しがちです。タラバガニは足が太く身が多いことから、食卓に豪華さを演出できます。旬の冬に購入すると、みずみずしい身と上品な甘さが際立ちます。

毛ガニ

毛ガニは通年水揚げされますが、北海道のオホーツク海で3月から5月にかけて旬を迎えます。春先のオホーツク海は流氷が溶け始め、栄養豊富な海水で育つ毛ガニは特に濃厚な味わいを持っています。

毛ガニは身だけでなくカニ味噌が絶品で、旬の時期には贈答用としても重宝されます。旬に食べると、繊細な甘みとコク深い味噌のバランスを楽しめます。

花咲ガニ

花咲ガニは夏に旬を迎える珍しいカニで、7月から9月にかけて水揚げされます。北海道根室地方が主な産地で、旬の花咲ガニは鮮やかな赤色と濃厚な旨味が特徴です。

漁期が短いため希少価値が高く、旬の時期には特別感を味わえます。夏場に食べられるカニとして貴重な存在で、旬の時期は香りと甘みが一段と引き立ちます。

カニは地域ごとにも旬がある?

同じ種類のカニでも水揚げされる地域によって旬が少し変わることがあります。主要な産地ごとの旬を見ていきましょう。

北海道

北海道は日本最大のカニ産地で、ズワイガニ、タラバガニ、毛ガニ、花咲ガニすべてが水揚げされています。特に毛ガニは春から初夏にかけてオホーツク海沿岸で旬を迎え、花咲ガニは夏限定です。

ズワイガニやタラバガニは冬にかけて最盛期を迎えます。北海道の厳しい寒さで育つカニは、身の締まりと甘さが他地域と比べて格別です。地域独自の水揚げ時期を把握することで、旬の旨味を存分に楽しめます。

北陸(福井・石川・富山)

北陸地方ではズワイガニの漁が特に盛んで、11月初旬から翌年3月頃までが旬です。福井県の越前ガニや石川県の加能ガニなど、地域ブランドとしても評価が高いのが特徴です。

水揚げされる海域の寒流の影響で、甘みが濃くしっとりとした食感に育ちます。旬の時期は市場に多く出回るため、比較的手頃な価格で新鮮なカニを入手できます。北陸では冬の風物詩としてズワイガニを味わう文化が根付いています。

山陰(鳥取・島根)

山陰地方も冬のズワイガニ漁で有名です。鳥取県の「松葉ガニ」は11月から3月が旬で、身のしまりと上質な甘みが評判です。島根県でも同時期に多くのズワイガニが水揚げされ、冬の味覚として愛されています。

漁が解禁される11月以降は価格が下がりやすく、新鮮なカニを手頃に楽しめます。地域による味の違いを感じるのも、カニの魅力のひとつです。

佐賀(竹崎カニ)

佐賀県の有明海では竹崎カニ(ワタリガニ)が有名で、夏から秋にかけて旬を迎えます。特に7月から10月は漁獲量が増え、オス・メスともに味がのります。竹崎カニは身が詰まり、濃厚な甘みが特徴です。

旬の時期に訪れると、地元の食堂や旅館で茹でたてを味わえます。冬のカニとは異なる食感と風味を楽しめるため、夏のグルメとして人気です。

カニの価格は旬には関係がある?

カニの価格は旬や漁の解禁時期、漁獲量によって大きく変動します。旬と価格の関係を理解しておくと賢い買い物ができます。

カニの価格は旬の時期に最も安くなる傾向があります。これは漁の解禁とともに流通量が増えるためです。例えば、ズワイガニは11月の漁解禁直後から年末年始にかけて最盛期を迎え、市場に多く出回ることで価格が一時的に下がります。しかし、需要が集中する年末年始は一時的に高騰することも珍しくありません。

逆に、旬を外れると冷凍品が主流になり、品質に差が出ることもあります。タラバガニや花咲ガニも同様に、漁期が限られるため旬を逃すと希少価値が高まり高値で取引されます。旬を把握し購入時期を工夫することで、コストを抑えて新鮮なカニを味わえます。

カニを安く美味しく食べられる時期

カニを安く美味しく食べるなら、種類ごとの漁解禁直後を狙うのがおすすめです。ズワイガニやタラバガニは11月頃に価格が落ち着き、流通量が増えるため買いやすくなります。毛ガニは春先、花咲ガニは夏にそれぞれ旬を迎えます。

旬を逃すと価格が高騰するだけでなく、冷凍流通が増え味わいも劣化しやすいです。地域によっても最盛期が異なるため、北海道や北陸の産地情報を確認して取り寄せると良いでしょう。こうした旬の知識をもとに計画的に購入すれば、コストを抑えながら最高の味を楽しむことができます。

参考文献: